【JAPAN最新号】おいしくるメロンパン、非日常へと滑り込む美しくも独自なポップを生み出すナカシマ、その半生を初めて語る

わかってほしいって気持ちがあんまりない。
むしろ、わからないよさっていうのはすごいわかります。
そっちのほうが好きですね、たぶん

現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』5月号においしくるメロンパン・ナカシマが登場!

ナカシマ、その半生

インタビュー=山崎洋一郎 撮影=小財美香子


今、20代の若手バンドが新しい音楽シーンを形作っている。そんな数多くのバンドの中で、おいしくるメロンパンは特異なポジションにいる。写真で見るバンドの姿形は普通のバンドとなんら変わらないが、その楽曲を聴いても、フェスなどでそのステージを観ても、同じ20代のバンドでありながら今のバンドシーンの主流とは完全に一線を画した孤高の存在であることがわかる。彼らのライブには熱いMCやコールアンドレスポンスはなく、彼らの歌には日常や恋愛に根ざした共感性はない。おいしくるの音楽には音楽そのものの美しさがあり、それを受け取った僕らの心の中には共感を超えた衝撃と感動が生まれる。僕らがおいしくるに求めるのはそれだし、おいしくるはシーンの流れがどうであろうとそれを貫く。そんな信頼関係の中で彼らの音楽は少しずつ美しさと強さを増し、僕らの心の中には彼らが描く世界が日常と並行して存在するもうひとつの美しい世界として確かに存在している。おいしくるメロンパンがこれまでの通算7枚のミニアルバムでやってきことはそういうことだ。サブスクの世界で行われているバンドゲームとは完全に一線を画している。だからこそ彼らは素晴らしいし、揺るぎない支持を得てフェスのメインステージに立ち、ツアーをソールドアウトさせ続けている。

ではそもそもおいしくるメロンパンが作り出す「世界」の根幹にあるものはなんなのか。あの、ファンタジーよりも儚くもあり現実よりもリアルに感じるおいしくるメロンパンの音楽の世界の根源はなんなのか。

作詞・作曲・ボーカルのナカシマの生い立ちから現在までの半生を訊く2万字インタビューで、ついにそこを解き明かしたいと思う。(山崎洋一郎)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年5月号より抜粋)


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