いよいよ今週末8月5日（土）・6日（日）、そして11日（金）・12日（土）に開催されるROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017。その2日目、8月6日のBUZZ STAGEに出演する「ワルキューレ」。出演アーティスト発表第3弾でこのユニットの名前が発表された際、ワルキューレの記事まとめが相当数読まれ、この発表を見た多くの人たちが、このユニットはどんな存在か興味を持ったことが明らかにわかった。
そこで今回は、「ワルキューレ」についてひもといていく。

まず、「ワルキューレ」とは、アニメ『マクロスΔ（デルタ）』に登場する戦術音楽ユニットである。
『マクロス』とはシリーズ最初の作品『超時空要塞マクロス』から始まり、『マクロス7』、『マクロスF』と続き、2016年に放映された最新作『マクロスΔ』のほか、OVA作品や劇場版、ゲームやプラモデルなど、さまざまな展開が行われている作品である。
舞台は、21世紀の銀河系宇宙で、バルキリーと呼ばれる戦闘機を用いて戦争が行われる。また、そのほかの重要な構成要素として「三角関係」、そして「歌」という要素がある。中でも『マクロス』において「歌」は、重要な部分を担っている。
『超時空要塞マクロス』ではリン・ミンメイが、『マクロス7』ではロックバンド・Fire Bomber、『マクロスF』ではランカ・リーとシェリル・ノームが、「歌」によって、敵や味方に多大な影響を与えてきたが、『マクロスΔ』でその役目を負ったのが、「ワルキューレ」である。




ワルキューレは、美雲・ギンヌメール（CV 小清水亜美 / 歌 JUNNA）、フレイア・ヴィオン（CV 鈴木みのり）、カナメ・バッカニア（CV 安野希世乃）、レイナ・プラウラー（CV 東山奈央）、マキナ・中島（CV 西田望見）の5人からなる。いわゆるアイドルではなく戦術音楽ユニットとして、その歌声で、作中で「ヴァールシンドローム」という人を凶暴化させてしまう奇病を鎮静化させる役目を担っている。また、戦争の中でも人々に希望を与える存在となっている。

『マクロス』の楽曲といえば、これまでのシリーズの楽曲も世間的に注目を浴び、例えば『超時空要塞マクロス』リン・ミンメイの“愛・おぼえていますか”や、『マクロスF』ランカ・リーの“星間飛行”、シェリル・ノームの“射手座☆午後九時Don't be late”、ふたりのデュエットによる“ライオン”などは、一度は聴いたことがある人も多いだろう。そして、『マクロスΔ』のワルキューレの楽曲が収められた1stアルバム『Walküre Attack!』もチャート1位を獲得するなど大ヒット。『マクロス』の音楽は、いわゆるアニソンを超えて、社会全体に受け入れられる曲となっているのである。

中でもワルキューレの楽曲は、戦術音楽ユニットとして、「ヴァールシンドローム」を鎮圧させるための歌を試行錯誤しているという設定のため、ロック調のパワフルなかっこいい曲や、可愛らしいチャーミングな曲など、ジャンルにとらわれない楽曲が歌われている。
美雲の歌声を担当するJUNNAは『マクロス』シリーズの最年少歌姫ながら、とてもパワフルな声で歌い、ワルキューレの中心として、説得力のある歌声を披露している。また、ワルキューレでもう一人の中心であるフレイアを担当している鈴木みのりは、この作品がデビュー作ながら、主人公のハヤテ・インメルマンに恋する天真爛漫なキャラクターを演じ、元気な歌声が特徴。美雲とは正反対ながら、こちらも敵に大きな影響を与え、かつ、ハヤテとも共鳴することで、さらにパワーを増大した歌声を披露している。また、カナメ演じる安野希世乃はワルキューレのリーダーとして、そして、ワルキューレを援護するΔ小隊のメッサー・イーレフェルトを支える包容力のある歌声を披露。レイナ演じる東山奈央は、寡黙なハッカーという役どころだが、メカ好きだがふわふわとした印象のマキナ演じる西田望見と姉妹のように、息のあったパフォーマンスを披露している。

先述したように1stアルバム『Walküre Attack!』はオリコンデイリーチャート最高1位、ウィークリーチャート最高2位を獲得。2ndアルバム『Walküre Trap!』はオリコンデイリーチャート最高3位、ウィークリーチャート最高3位を記録した。また、『Walküre Attack!』は第31回日本ゴールドディスク大賞において「アニメーション・アルバム・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。
さらに、ワルキューレはアニメだけでなく現実での活動としてライブ活動を展開。東名阪のZeppや横浜アリーナでの公演はどれも大盛況となっている。
そしてこの度、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017に彼女たちが出演。アニメとリアルの垣根を超えた戦術音楽ユニットとしての力強いパフォーマンスに注目だ。（中川）