【ロック・ファンはここに注目! 】 世界的大ヒット作の続編 『SING/シング:ネクストステージ 』 の凄さを徹底解剖!

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『ミニオンズ』や『怪盗グルー』シリーズでおなじみの〈イルミネーション・エンターテインメント〉が2016年(日本では2017年)に公開し、世界中で大ヒットを記録した『SING/シング』。その大ヒットの要因となったのは、キュートな動物キャラクターの魅力に加え、物語のエモーションを色鮮やかに彩った素敵な音楽であり、さらに言えば、そこに込めた「歌うことの喜び」という純粋なメッセージだった。
 
3月18日に公開となる『SING/シング:ネクストステージ』は、そのお待ちかねの続編。今回も(というか、前作以上に!)楽しい音楽ネタが満載の傑作に仕上がっている。ここでは、その「ロックなこだわり」を7つのポイントに分けて紹介していこう。

1.U2の新曲を引っ提げ、ボノがライオン役で、奇跡の声優デビュー!?



今回の続編で、音楽ファンにとって最高に嬉しいサプライズは、注目の新キャラ、クレイ・キャロウェイ役の声優にボノが起用されたことだろう(日本語吹替版は稲葉浩志)。ご存じのとおり、U2のボーカルであるボノは、これまでに数々の名曲を歌ってきたわけだけど、アニメーション映画の声優を務めるのは、今回が初! はっきり言って、それだけで「大事件」なのだ。
 
ボノが声を担当するライオンのクレイは、カリスマ的な人気を誇るシンガーでありながら、妻の死をきっかけに15年以上も隠居しているという設定のキャラ。もちろん劇中での熱唱シーンもあり、中でも“I Still Haven't Found What I'm Looking For”のセルフ・カバーは、アッシュ役のスカーレット・ヨハンソンとの感動デュエット! さらに、エンディングではU2が本作のために書き下ろした新曲“Your Song Saved My Life”も披露される。「歌うこと」の癒しを優しく讃える歌詞は、映画全体のテーマとまさにぴったりだ。

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2.ゾウのミーナが初恋!? 噂のお相手アルフォンゾ役に……



1作目の『SING/シング』で、ファンの心を「ぱぉぉ~ん」と鷲づかみ(ていうか、ゾウの鼻づかみ?)にしたキャラクターと言えば、もちろんミーナ(声の出演はトリー・ケリー、日本語吹替版はMISIA)。前作では長年の悩みだった「あがり症」を克服したわけだけど、そんな彼女にさらなる試練が――そう、今回のミーナは生まれて初めて「恋」に落ちてしまって、一大事なのです。ぱぉぉ~ん! ぱぉぉ~~ん!
 
その噂のお相手にして、純粋なゾウの青年アルフォンゾ役の声を担当するのは、ファレル・ウィリアムス(日本語吹替版はジェシー(SixTONES))! ファレルと〈イルミネーション〉のコラボと言えば、『怪盗グルーのミニオン危機一発』の挿入歌で大ヒットした“Happy”が超おなじみだけど、今回はオリジナル曲ではなく、68年のアレサ・フランクリンのカバーで知られる名曲“I Say a Little Prayer″に挑んでいる。デュエットの相方はもちろんミーナ……現実の恋もHappyエンドになれるのかは、見てのお楽しみ!

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3.劇中もっとも”ロック”なヤマアラシ、アッシュの今作も光る選曲センス!



ヤマアラシだけに、音楽性も一番“トンガってる”!?――というわけで、1作目『SING/シング』では、全登場キャラの中で、もっともロックな選曲センスが光っていたヤマアラシのアッシュ(声の担当は『ブラック・ウィドウ』でおなじみのスカーレット・ヨハンソン、日本語吹替版は長澤まさみ)。今回の2作目でも、のっけからいきなり“Heads Will Roll”のワイルドなカバーを披露してくれる。原曲はヤー・ヤー・ヤーズが09年にリリースした3rdアルバム『It's Blitz!』に収録。ヨハンソンのスモーキーな歌声にぴったりフィットした、痛快で「トンガりまくり」のロック・チューンだ。

今回のアッシュはさらに、隠居中のライオンのクレイ(声:ボノ)を再びステージに上がるように説得するという、責任重大なミッションも担うことに……。その過程で歌われる“Stuck In A Moment You Can't Get Out Of”は、U2の「隠れ名曲」のカバー。しっとり聴かせます。そして、泣けます。

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4.1作目『SING/シング』の中心キャラクター、ゴリラのジョニーの美声に今回もメロメロ!



極悪ギャングのボスである父親の反対にもめげず、1作目『SING/シング』で念願のシンガー・デビューを果たしたゴリラのジョニー(声の出演は『キングスマン』シリーズのタロン・エガートン、日本語吹替版は大橋卓弥スキマスイッチ))。前作では、どこまでも繊細な歌声に聴き惚れ、思わず「ギャップ萌え」しちゃった人も多かったはず。
 
今回の2作目では、そんなジョニーにも新たな試練が訪れ、難易度マックスな殺陣アクション風のダンスに大苦戦!?……悩める彼の救世主となる新コーチとの出会いの場面で歌われるのは、ショーン・メンデスの“There's Nothing Holdin' Me Back”。さらにクライマックスのミュージカル・シーンでは、コールドプレイの究極のきらきらキラー・アンセム“A Sky Full Of Stars”も披露。どっちもタロンの清らかな美声ボーカルを堪能するのにベストな選曲で、ますます「メロメロ萌え」になっちゃう女性ファンが続出しそう!?

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5.「見せ場」が盛りだくさん!どのキャラも見逃せない!



今回の『SING/シング:ネクストステージ』には、他にもたくさんの楽しい動物キャラが登場。それぞれに「見せ場」のシーンが用意されている。ここで全部を網羅するスペースはないが(なにせ全曲数は41曲!)、ざっとハイライトを紹介しよう。まず人気女優のリース・ウィザースプーンが声を担当するママさんブタのロジータ(日本語吹替版は坂本真綾)は、今回はアリアナ・グランデの“Break Free″にチャレンジ……でも、高所恐怖症で大ピンチに?

新キャラでは、オオカミの大物タレントの娘であるポーシャに注目。初登場シーンでは空を舞いながらアリシア・キーズの“Girl on Fire”を激唱。ちなみに声優は、最近ノリにノッてるポップ・シンガーのホールジー(日本語吹替版はアイナ・ジ・エンド)!
 
そして、義眼のイグアナの有能(?)アシスタントおばさん、ミス・クローリーも帰ってくる。本作では、実は彼女がメタル(しかもシステム・オブ・ア・ダウン!)の隠れファンだったという衝撃の新事実が明らかに!?

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6. シリーズ監督を務めるガース・ジェニングスは、なんと元ブリットポップ~オルタナ畑のMV職人!?



『SING/シング:ネクストステージ』で監督を務めるのは、1作目からの連投で、今回もガース・ジェニングスだ。実はこのジェニングス、英国の出身で、もともとはアニメーション畑ではなく、実写映画の監督をしていた。長編デビュー作は05年の『銀河ヒッチハイク・ガイド』で、さらに遡ると、90年代後半~00年代初め頃に、ブリットポップやオルタナ・ロックのMVを手がけていた〈ハマー&トングス(Hammer & Tongs)〉の主力メンバーであった、すんごい人なのだ。
 
当時のハマトンは、斬新かつユニークなアプローチで人気を博した映像制作集団で、パルプやベックR.E.M.レディオヘッドといった錚々たるアーティストたちとコラボしていた。中でも、各方面から絶賛されたのはブラーの“Coffee & TV ”の「牛乳パック」MV! 低予算ながら、歌そのものの魅力を最大限に引き出したポップな映像センスは、まさに『シング』シリーズの「原点」だ。


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7.前作からさらにスケール・アップした舞台は大都会「レッドショア・シティ」へ



1作目の『SING/シング』と比べると、格段にスケール・アップしている今回の新作。設定もビッグに進化していて、物語のほとんどは「レッドショア・シティ(Red Shore City)」と呼ばれる大都会を舞台に展開していく。コアラの劇場オーナー、バスター・ムーンをはじめとするメンバーたちはバスで到着するのだけど、そのシーンのBGMは、なんとマーキュリー・レヴの“Holes”! 98年発表のアルバム『ディザーターズ・ソングス』に収録されていた名曲中の名曲で、期待に胸を膨らませるバスターたちのワクワクな鼓動がそのまま音になったような素敵な瞬間だ。
 
一方、劇の売り込みのため、バスターたちがハイテク高層ビルに侵入するシーンでユーモラスに使われるのは、ご存じビリー・アイリッシュの“Bad Guy”。007の主題歌も提供していたビリーだけど、実は彼女のウィスパー・ボイスって、ハラハラドキドキでスリル満点なシーンのBGMに最高なんです。

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というわけで、1作目の『SING/シング』も遥かに超え、思わず誰かと共有したくなる極上の音楽ネタを満載した今回の『SING/シング:ネクストステージ』。各歌唱シーンの「臨場感」もハンパないので、できれば最新の音響システムを完備した劇場で、心ゆくまで「体感」してみてほしい。2022年の春、あなたの街の映画館が、ポップな動物キャラたちの最高の「ライブ・ステージ」に生まれ変わる瞬間を見逃すな!(内瀬戸久司)


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