NASの「イルマティック」20周年記念パフォーマンスを観て泣く

NASの「イルマティック」20周年記念パフォーマンスを観て泣く

StarFes14のトリに登場したNAS。「イルマティック」20周年記念パフォーマンスに参加者の期待は大きい。そこにあの車輪のSEが流れ大歓声が起きる。
個人的に「イルマティック」は最も聞いたヒップホップのアルバムで、このライブをとても楽しみにしていた。
バックに流される映像も素晴らしく思わず泣きそうになったが、やはりこのアルバムは僕の個人的な思い入れは置いておいても、特別なものなのだと思った。
94年に発表されたこの歴史的名盤は、まさに94年のニューヨークと、あの年のヒップホップの大きな転換の空気を刻み込んだドキュメントなのである。
だからNASがこのアルバムの再現ライブを演ると、そこに94年という時間が主役として登場するのだ。
多くのポップミュージックはそうした時代との密接な関係性を持つが、そのなかでも「イルマティック」は特別だ。
NASが「イルマティック」を発表したときは20歳だった。
僕は94年に43歳だったし、住んでいたのもニューヨークではなく代々木上原だったが、このアルバムを聞くと、94年のニューヨークの記憶が蘇る気がする。その気になり過ぎと馬鹿にされそうだが、当時このアルバムを聞き込んだ人なら分かってもらえるだろう。
凄いアルバムだし、凄いライブだった。
夕焼けが綺麗だった。
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