Kroiは武道館でもヤバかった! まったく「変わらず」にめちゃくちゃ「デカく」なってた前代未聞の初武道館ワンマンを観て

Kroiは武道館でもヤバかった! まったく「変わらず」にめちゃくちゃ「デカく」なってた前代未聞の初武道館ワンマンを観て
Kroi、初の日本武道館公演である「Kroi Live at 日本武道館」。

Kroiのワンマンライブといえば、舞台にファーが敷き詰められていたりインダストリアルなモニターが無造作に置かれていたりと派手なステージのセットデザインも魅力的で、武道館という最大キャパのライブでどんな景色を見せてくれるのだろうと思いながら会場に入ると、今回のステージは至ってシンプルで、Kroiのロゴが大きく掲げられているのみ。「なるほど、武道館はストロングスタイルでいくのか」と思った矢先、1曲目の“Fire Brain”でそのロゴが歪に溶け出し、背面に巨大なLEDビジョンが位置していると気づく。「これはヤバいライブになる」と即確信した。

ソウルフルに爆発するがなり声と絹のように繊細なファルセットを使いこなす内田怜央(Vo・G)のボーカル、巧みなマッシュアップと華麗なソロ回しで曲を生き物のように自由に変化させる楽器陣の圧巻のパフォーマンスは、武道館という大舞台でも変わらずにそこにあって(もちろん過去最高の仕上がりだった)、しかし圧巻のクオリティのVJと照明、5人を迎え撃つ10,000人超の《Everybody Funky》のグルーヴが、Kroiの音楽を未だかつてないデカさに巨大化させていた。

序盤のハイライトだった“夜明け”。ほぼワンコードで押し切る調整感が曖昧なサウンドで《正直一睡もしてない》徹夜明けの心情を歌うという、おおよそJポップの定石から逸脱した曲にも関わらず、ブロックごとに鮮やかに切り替わる光の演出、それに負けじと派手さを増すアレンジが胸に迫り、演奏のすごさだけでただただ泣けた。奇抜な曲でさえそれなのだから、Kroiらしさはそのままによりポップに開けたアニメタイアップの新曲“Hyper”と“Sesame”の大舞台映えの凄まじさたるや。武道館に留まらずアリーナやもっともっと広い会場でKroiを観たいし、それは近いうちに現実のものになるんじゃないか――という思いを力強く肯定してくれる「武道館はセーブポイント。行けるところまで行くんで」という内田のMCが頼もしかった。

……と、ついつい長くなってしまったKroi初の武道館公演の話、まだまだ語り足りない!ということで、来月2月29日発売のROCKIN’ON JAPAN 4月号でがっつりレポートします! 掲載はまだまだ先になりますが、ぜひ楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。

そして、今夜のライブでは3rdアルバム『Unspoiled』のリリースも発表。「損なわれていない」などの意味を持つ形容詞のようですが、活躍の場をメインフィールドへと徐々に広げていきながら、その独自の音楽性はまったく損なわれていないKroiにぴったり。武道館を経たKroiが次に見せる景色はどんなものになるのか、今から楽しみでなりません。(畑雄介)
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