もともと4月上旬に公開される予定で制作が進められていた本作だが、予期せぬ出来事により公開は延期され、追加撮影や変更が加えられた上で、このタイミングでの公開となった。
なぜ前身バンドのbanbiは終わらなければいけなかったのか。なぜこの4人の住処はここでなければいけなかったのか。sumikaのこの10年をあまりにリアルに映し出すたくさんの音楽、たくさんの言葉に2時間釘付けになった。
黒田隼之介の逝去を受けて追加された後半パートは、これまで聴き手の僕らにはわからなかったメンバー同士の絆や信頼の深さがしっかり語られていて、なんだかいろいろなことの決着がついた気持ちにもなった。
8年前、片岡の声が出なくなり活動が止まったタイミングで黒田が作った曲“明日晴れるさ”を、居酒屋で酔ってイヤホンで片岡に聴かせるくだりが泣ける。
映画の後半、3人のみのアンプラグドで演奏したその“明日晴れるさ”の後、画面は雨中の横浜スタジアムに進んでゆく。
この映画を観て、sumikaのこれから先10年を思い、明日晴れるさ、と心の底から思えた。(海津亮)
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